2024/01/15
創業110周年を迎えたSchottを代表する革ジャン「ONESTAR」。
1950年代の販売当初から変わることのない不変的なデザインは、現代も多くの愛好家により支持されている。
そんな「ONESTAR」を愛してくれている各業界のワンスターラバーズ"ONESTAR'S"にインタビューを敢行。
今回のONESTAR'Sは、スタイリストの高橋 ラムダさん。
豊富な知識と独自のセンスで唯一無二のスタイリングを生み出し続けているラムダさんに、88年からタイムスリップしてきたかのようなご自宅で色々とお話を伺った。
もちろんONESTARを纏って。
-ラムダさんがイメージするSchottとは?
ラムダ:Schottは中学生のころから高嶺の花で、値段的に手が出なかった。
VANSONも憧れていましたが、Schottの方がファッショナブルなイメージがあります。
どういうイメージかと聞かれると、王道過ぎて、Schottとは?と考えられないですね。
「ライダース」というと、と考えた時に、最初に浮かぶブランドですね。
ONESTARに関しては少しハードルが高くて、ONESTARを着こなすパンチ力が足りないと思ってしまったりもしました。
ほかのライダースに比べても、ONESTARはひとつハードルが上がるイメージがあったので、Schottはスエードのスタジャンから入りました。
ラムダ:最近、古着とかでもよく見かけるんですけど、70年代のタグものとかを見るだけでもテンションが上がりますね。
ずっと着ていた70年代のSchottのベストは、つい最近放出したばかりです。
ヘインズの半袖Tシャツの袖をまくって、その上にベストを羽織っていましたね。
和製ジェームスディーンこと、白洲次郎の真似をして。
まくった袖に当時吸っていた煙草を挟むんですけど、一般的には赤いマルボロなんだけど、少しナヨってサムタイムライトを巻いてました(笑)。
ほかにニューポートとか、ダサくてかっこよかったんですよね、当時の海外のB-BOYとかが喫ってたりして。
-アメリカにまつわるエピソードなどあれば教えてください。
ラムダ:原宿のゴリーズという古着屋で働いていた19歳か20歳のころに買い付けでよくロサンゼルスやサンフランシスコに行っていたんですけど、当時はエミネムを聞きながら、2両連結のバスに乗る、というイメージに憧れていて、実際にそのバスの一番後ろにでっかいコーラを持って座っていたんですね。
若かったから怖いとかっていう意識もなくて、夜中12:00頃にバスに乗っていたら、映画に出てくるような杖をついた白髪のおじいさんが一人で乗ってきたんです。
ラムダ:そのバスはガラガラで席も結構空いているのに、なぜか僕が座っている1番後ろまで歩いてきて、わざわざ僕の隣に座ったんです。
で、ずーっと僕の膝の上をさすってくるんです。
さすってくる手を何度か払うんですけど、全然やめてくれなくて、ついには見かねたバスの運転手さんが助けてくれて、違う席に移動してもらったんです。
その時にバスの運転手さんが、あの人はソッチ方面で有名な人だから気を付けてね、ってアドバイスしてくれたのを今でも覚えています。
-どんなシーンでレザージャケットを着用しますか?
ラムダ:春とか秋のおしゃれしたいシーズンが多くなりますね。
結構、軽快に着たいんです。インナーにレーヨンのシャツを合わせるとか。
極端に言うとタンクトップにスエードのレザーとかのコーデが好きですね。
ただ別に、レザーだから、とか意識して着ていないです。
自然に一つのアウターとしてチョイスしていると思います、感覚的には。
実はレザーよりもムートンが好きだったりするので、そこまで沢山レザージャケットを持っていないっていうのもあります。
-ONESTARのコーディネートにマストなアイテムを教えてください。
ラムダ:結構悩む質問で、割とこれって決められないんですよね、職業柄、選択肢が多いので。
ちなみに今回のコーデの話でいうと、50年代をイメージしていて、黒のライダースにエメラルドグリーンのシャツを合わせたという50年代の黄金比的カラーリングですかね?色からの発送はよくやります。
国旗とかラグのカラーリングとかも参考にしますし。
ラムダ:シルエットのポイントは、このライダースがTALLバージョン(613USより着丈が1インチ長い)なので、パンツをハイウエスト気味にして、丈を短めにした、「いなたい」シルエットにしたことですかね。
昔はジッパーの色に合わせてアクセサリーもシルバーで合わせたり、コーデの色味に合わせてゴールドのアクセサリーを混ぜたりしていましたが、今はこだわる部分が変わったのか、あまり気にしなくなりましたね。
もっと大事なことが見えてきたということなのかなと思ったりもします。
-ラムダさんのライフスタイルについて教えてください。
ラムダ:今は「指スケボー」ですね。7台持ってます。
デッキの素材が5枚合板か7枚合板で重さが違ったり、滑った時の音が違ったりするので奥深いですよ。
立川の職人さんが作ったデッキとかもありますね。海外のPVとかみて、自分のテクニックのなさに落ち込んだりしてますね(笑)。
指スケボーのパークが浸食してきて、ついにはご飯を食べるテーブルがなくなってしまいました(笑)。
ラムダ:自転車も毎日乗りますけど、指スケボーは時間が空いたら簡単にできるし、とにかく時間がつぶせる。
自転車は、乗ろう!という気持ちがないと動き出せないじゃないですか。
その点指スケボーはデッキと段差があればどこでもできるので、お手軽です。
ラムダ:自転車に関しては集めるのも好きですが、乗るのも好きで公園で毎日1時間くらい乗っています。
競技的な乗り方じゃなくて気持ちいい速度で流すクルージングですけど。
集める際もブランドにこだわらず、パーツから組み立てている感じです。
とにかく収集癖があるので、ガレージはパーツだらけですね。
僕、断捨離ができないんですけど、少しは処分したり整理もしているんですけど、集めるスピードに追い付かないので、どんどんモノが増えていくんですよ。
まあガレージを見ていただいたんでお分かりだとは思いますが(笑)。
ラムダ:ママチャリが好きなんですけど、ハンドルはカマキリがいいんですよ。あのフォルムが好きで。
前に5段変速のギアシフトが本体のセンターに付いてるジュニアスポーツタイプの自転車に無理やりカマキリのハンドルをつけて、「Nulbarich」のMVで使ったら、ボーカルの「JQ」がカッコいいって言って、撮影終了後に乗って帰っちゃいましたね。
-今後の展望を教えてください。
ラムダ:仕事で集めた莫大な量の洋服たちを、スタイリングを組んで、そのコーデごとフリーマーケットで販売できたらな、と考えています。
ラムダ:店舗を持つとかWEB販売だけとかだと寂しいので、許可の取れた公園とかで販売してみたいと思っています。
撮影行く時みたいにスタイリングを組んでラックにかけて、撮影した動画をSNSで「いつどこで販売します」という告知と合わせて配信して、買い物に来てもらえたらなと。
昔、BRUTUSの企画で、こういう移動販売車があったらいいよね、っていうファッションページを見開きで作ったことがあって、できそうだなとも思っています。
スタイリングを組んだ状態で買えるってことはあまりないですから。現実になればと思い、日々考えています。