2024/11/17
創業110周年を迎えたSchottを代表する革ジャン「ONESTAR」。
1950年代の販売当初から変わることのない不変的なデザインは、現代も多くの愛好家により支持されている。
そんな「ONESTAR」を愛してくれている各業界のワンスターラバーズ"ONESTAR'S"にインタビューを敢行。
今回の"ONESTAR'S"は料理人の「佃」さん。
渋谷の松濤エリアにお店を構える「恋文酒場 かっぱ」の料理人である「佃」さんは、料理人らしからぬインパクトある風貌がSNSで話題となり、連日ワールドワイドなお客でにぎわう繁盛店を切り盛りしている。
そんな強面の見た目とは裏腹に、休日はカフェめぐりがマストという女子っぽい趣味で、自分の料理スキルを上げるために努力を惜しまないというギャップが強めなキャラクターの持ち主である「佃」さんから様々なお話を伺った。
もちろんONESTARを纏って。
▶ONESTARの一覧はこちらから
-佃さんがイメージするSchottとは?
佃:高知から上京した時に街で見かけたレザージャケットがSchottで、自分より先に上京していた先輩が好きだったということもあって、「カッコいいブランド」という漠然としたイメージがありました。
その先輩が着ていた革ジャンがSchottで、ライダースではなかったですけど、「ライダースが欲しい、いつか買いたい」と言っていたので、価格的に結構高いブランドなんだろうな、って思っていた記憶があります。
今では「革ジャン」、「バイカー」、「武骨でカッコいい男のブランド」というもう少し細かいイメージになっています。
▶Schottの革ジャン一覧はこちらから。
-アメリカにまつわるエピソードなどありますか?
佃:アメリカには行ったことがなくて、海外だとこの間初めて韓国に行きました。
彼女の実家が韓国ということもあって、ご挨拶がてら。アメリカにはずっと行きたいと思っていて、「来年には行く」という目標はあります。
もし行くとしたらL.A.ですね。NBAのL.A.レイカーズの試合を生で観たいんです。行けるように頑張っています。
アメリカは、行動力があって素直な人たちが多いというイメージですね。
お店にも欧米の方がよく来店されるのでなんとなく感じます。
直接コミュニケーションをとっているわけではありませんが、感情は隠さないし、他人を素直にリスペクトしているなーって感じますね。彼らはタトゥーも個性的だし。
佃:自分のお店は日本を感じられるディスプレイや写真映えする店装なので、外国の方は喜んでお食事しに来ていただいていますね。
自分のSNSのフォロワーも半分以上が外国の方ですから。日本よりも海外からの方が注目してくれているように感じます。来年、L.A.からファッションシュートをしているカメラマンが自分を撮影しに来てくれる話も決まっています。
そういう状況でもあるので、自分の心情としても海外に興味は出てきていますね。
-佃さんの愛車について教えてください。
佃:バイクには乗っていないんですけど、自転車には乗っています。
「BROTURES」さんで組んでもらったカスタムのピストバイクです。
雨の日以外、毎日このピストで通勤しています。
車もいまは乗っていないんですけど、「3年後に買う」という目標はあります。
佃:車にそこまで詳しくないので特にコレ、という車種があるわけではないんですけど、毎日「3年後に車を買う!」と心に思いながら目標に向かって働いています。
旧いアメ車とかいいですよね。
でもアメ車にこだわっているわけではなく、買うことができるその時に、自分がカッコいいと思える車を買う予定です。
-料理人としてのこだわりなどあれば教えてください。
佃:高知から上京してきてすぐに料理の道に入ったわけではなく、最初は何も考えず、ただ東京に来たい、という気持ちだけで東京に出てきました。
最初は高校の先生が紹介してくれた会社に入ったんですけど、そこで3年くらい働いていて、毎日「行きたくない」って思いながら出勤していました(笑)。
それでその会社を辞めた後に、次の仕事が決まるまでのつなぎとして、居酒屋で働いたのがこの飲食業界に入ったきっかけです。
そこからは色々な方に出会って、どんどんこの業界にのめり込んでいって、今に至っています。
佃:21歳で飲食業界に入ったときに感じたのが、全然華やかじゃないということでした。
その時に自分だったらこうするけどな、という想いがこみあげてきて、全身刺青で調理している料理人っていないよね?だったら自分がやってみよう、と。
このスタイルになったきっかけはそこからで、自分は自分というスタンスでこれまでやってきました。
ブランディングとまでは言いませんが、しっかり考えて実行している方だと思います。
佃:料理をするうえで気を付けていることは、見た目と味を合わせる、ということを意識しています。あとはスタッフの賄いは気を使っています。
スタッフの中でも「彼はがっつりが好きだからこのメニュー」とか「彼は魚が食べられないからこういうメニューにしよう」とか。スタッフも全員で10人くらいいますからね。
その日に出勤しているスタッフはみんなで一緒に賄いを食べます。
スタッフもほぼ刺青が入っていますね。
あえて刺青が入っている人を採用している訳ではなく、自分がこういうスタイルなので、このスタイルに賛同してくれて一緒に働きたいと言ってくれる人を採用しています。
別に刺青が入っていないから働けない、ということはないですよ。
佃:こだわりとは違いますが、自分は左利きなんです。
左利きの料理人って、昔は右仕様に強制されたんですよね。今はだいぶ認められてきて、包丁も左利き用のものがありますし。
よく言われていたのが、左利きの料理人が盛り付けをすると右利きの人が食べづらい、という問題です。
気にはしていたんですが、料理を始めたばかりの頃に料理を教えてくださったオーナーが、「美味しければいいんだよ、時代は変わっているんだから」と仰ってくれて。
そこからは気にせず左で練習し続けていますね。ちなみに包丁は右利きのものより1.5倍くらい高いです。
-ONESTARコーディネートにマストなアイテムを教えてください。
佃:刺青ですかね。レザーと刺青って相性がいいと思っているので。
コーディネートというか、刺青が見えるような着こなしがマストかもです。
自分が入れている刺青に統一したテーマはないのですが、カラーは多く入れています。
▶佃さんが着用したライダースはこちらから
佃:和彫りと洋彫りが混在していますが、洋彫りはレタリングが多く、意味を持たせたメッセージと大切な言葉を入れてもらっています。
後頭部には「一生この仕事」を意味する「This job for life」が入っていますし、家族の名前も両手に入っています。
-佃さんの趣味、ライフスタイルについて教えてください。
佃:趣味は刺青とフィジカルトレーニング、カフェ巡りも趣味です。
休みの日は絶対にカフェに行きます。
自分はお酒を飲まない代わりに甘いものが大好きで、遊び方は女子に近いと思います(笑)。
この見た目からのギャップは誰よりもあるんじゃないですかね(笑)。
夜は勉強のために好きな和食屋さんやレストランに行って、目と舌でアイデアをいっぱいもらってきています。
自分は料理歴が6年くらいと浅いので、まだまだ勉強中です。
教えてくれる人がいないので、SNSを活用したり、自分で体験したことを技法や味に取り入れることで少しずつですがアップデートさせています。
料理歴が浅い分、相当インプットしないとアウトプットできないので。
今後、自分のお店を持つことがあるとして、そのためにも料理は続けないといけないと思っているので、気持ち的にも毎日勉強しています。
いまは先に名前やスタイルで認知が拡がって、お客様が来店してくれることも増えてきたので、この注目してもらえているうちに、美味しい料理を提供できるよう調理の腕を磨き、また食べに来てもらえるように努力をし続けています。
料理は後頭部に入れた刺青の通り一生続けます。
実は初めて魚をばいた瞬間に「俺、これ一生の仕事になるな」と思いましたから。
これも決意の表れですが、顔の左右には「刺身包丁」と「盛り箸」の刺青を入れています。
佃:1日のルーティーンは決まっていて、朝9:30頃に起きて、コーヒーを飲みながらスケジュールのチェック。
その日の洋服を選んで、自転車でお店まで通勤。自転車に乗りながらも人生の目標設定をアップデートしています。
お店に到着したら仕込みを始めて賄いを準備します。
スタッフみんなで賄いを食べることで、コミュニケーションをとり、会話の中でケアやサポートをします。
開店してからは朝5時まで店はオープンするのですが、深夜帯は他のスタッフに任せてAM0時ころに上がり、その日に撮った動画のアップやSNSの投稿をしてからジムやランニングなどのトレーニングで体を動かします。
あと最近では嫌いにならない程度の英語の勉強などもしていますね。
家に帰ってからはDMで届いた商品の発送や連絡メールの返信を終わらせて、朝5:00か6:00に就寝する。というスケジュールです。
自分はショートスリーパーだからこのスケジュールが苦しくないと思っています。
以前は仕込みから朝の閉店までお店にいたのですが、他のことにも時間を費やさないといけないと気づいて、このようなスケジュールになりました。基本的に体力があるのと、何かしていないと落ち着かない性分なんですよ。
佃:刺青は18歳から入れ始めたんですけど、東京に来て働いたお給料で入れていました。
最初に入れたのは胸に入っている「DOWN TOWN」です。
お笑い芸人の「ダウンタウン」さんが好きすぎて(笑)。
当時はお金が入ったら刺青につぎ込んでいましたね、いまはそこまでではないですが。
刺青って個性だと思っていて、全身刺青が入っている怖そうな人間が料理していたらインパクトあるじゃないですか(笑)。
自分もお店のスタッフも「OT TATTOO」さんと「AKIRA」さんに入れてもらっています。
「AKIRAさん」は馬込の方なのですが、格闘家の「山本キッド」さんにも入れていた方で、キッドさんが所属していたジムでも彫っていたりしていましたね。
佃:見た目と違って、自分はお酒も飲まないし、飲み会とかも絶対に参加しないんです。
大人数でテキーラで乾杯!というイメージがあるらしいんですけど、行かないです。
それよりも自分への投資にお金と時間を使っています。
HIP HOPが好きで、特にラッパーの「C.O.S.A.」さんが好きなんです。
一人でライブも観に行ってますし、自分のSNS動画でも曲を使わせていただいたりしています。
「C.O.S.A.」さんは家族を大事にしているということがリリックからも分かるんですけど、奥さんとか娘さんのことを混ぜ込んでくるのがカッコいいな―って思うんですよね。
もちろん他にも好きなラッパーの方はたくさんいるんですけど、ラッパーの皆さんには尊敬の念しかないです。
なので自分はライブとかで遠くから見ているだけでよくて、どちらかというと自分から積極的にコミュニケーションを取ることが得意じゃないので、変な空気になるもの嫌で。
ただもし、ミュージックビデオとかで、自分のお店がそのアーティストさんの歌詞の内容だったりフィーリングのイメージと合えば、いつでもご協力したいと思っております。
-今後の展望を教えてください。
佃:飲食業界って給料が安いイメージがあると思うんですけど、もっと華やかで夢のある職業になればいいなと思っています。
ラッパーになりたいとかスポーツ選手になりたいとか、芸能人になりたいっていう若い子はいっぱいいると思うんですよ。
飲食業界って若い子たちからするとなりたい職業の上位に入ってきていない気がしていて。
自分みたいなタイプは業界ではあまりいないと思いますが、全身刺青の料理人が、いい車を乗り回していたらカッコいいって若い子たちに思ってもらえるんじゃないかなと。
もちろん技術がともなって、美味しい料理を提供できることが前提ですよ。
なので展望としては、自分のすべてを表現できるお店を持って、料理をし続けたい、ということですね。と同時に色々な新しいチャレンジもしていきたいと思っています。
佃:一緒に働いているスタッフが自分をリスペクトしてくれていることも大きいので、彼らをフックアップできる環境を作ったり。そのためには自分が先陣を切って引っ張っていかないといけないと思っています。
若い子からSNSのメッセージで、「一緒に働きたい」とか「募集していないんですか」という内容をよくいただくので、そういう子たちが輝ける場所を作っていきたいです。
料理人が「憧れの職業」となるようにできることをやろうと思います。
来年からは新しい動きができると思うので、自分のやりたいことができて「カッコいい」と思ってもらえる料理人を目指して、日々動き続けます。