2025/12/05

創業112年を経て未だSchottを代表する革ジャンとして君臨する「ONESTAR」。
1950年代の販売当初から変わることのない普遍的なデザインは、現代でも多くの愛好家から支持されている。
そんな「ONESTAR」を愛してやまない各業界のワンスターラバーズ"ONESTAR'S"にインタビューを敢行。
今回の"ONESTAR'S"はRock'n' Rollerの「Johnny Daigo Yamashita」さん。
ライフスタイルをアメリカンカルチャーに全振りし、「NO Rock'n' Roll NO LIFE」を地で行くJohnnyさん。
待ち合わせ場所である横浜長者町のライブハウス前で我々を出迎えてくれたときの第一印象は「厳つい」。しかし、一言目の挨拶からとても礼儀正しく、お店の撮影許可を取ってもらい、そして我々を店内まで案内してくれて、こちらの質問や要望に対してすべて応えてくれるJohnnyさんは、その第一印象とのギャップが大きく、一気に彼の虜となる。
自宅のドアを出ればそこはもうステージ、と筋の通りまくったジャパニーズロックンローラーであるJohnnyさんから、レザーやカルチャー、ご自身にまつわる様々なお話を伺った。
もちろんONESTARを纏って。
▶ONESTARの一覧はこちらから
-JohnnyさんがイメージするSchottとは?
Johnnyさん:まさにロックンロールですね。
Schottのライダースはワイルドな人が着るというイメージがあります。
ちなみにバンドメンバーは全員Schottを着ています。
ただ、本当に暑い夏のライブや激しく踊るときにSchottは着ません。
僕の中でSchottは一張羅なので、ここぞというときに着ています。
あと、ツイストを踊るとき脇の部分に負荷がかかりすぎて破けるんですよ。
Johnnyさん:今日着てきたライダースが初めて購入したSchottのライダースで、18歳か19歳の時に上野で買った「618」なんですけど、ツイストやライブの動きに耐えられなかったのか腕部分が破けてしまったので、ボディの経年に似たレザーを1年くらい探して合体させて直しました。
ボディ部分と似ている革を探したので、見た目は分からないと思いますよ。
他にハーレーとコラボしたジャケットをも持っていますが、メインはこっちのライダースですね。
ちなみに毎日ですが、出かけるときもレザージャケットを着ています。
スタイリングにマストなアイテムなので。
日常的にインナー代わりとして使うことも多いので、多分もう皮膚です(笑)。
-アメリカにまつわるエピソードなどありますか?
Johnnyさん:ツアーでアメリカに3回行っていて、ラスベガスで行われる「VIVA LAS VEGAS」という世界最大のロカビリー音楽の祭典があるのですが、そのフェスに日本人アーティストとして初めてメインステージで演奏しました。
「チャック・ベリー」とか「リトル・リチャード」、「ストレイ キャッツ」などレジェンドクラスが演奏した同じステージに立たてたのは光栄なことでした。
Photo by Wataru Yoshida
Johnnyさん:あと、バイクが好きで、カルチャーの入口は「イージーライダー」の影響が強かったので、どうしてもあの「旧ルート66」を走るのが夢の一つだったんです。
それで去年アメリカツアーに行かせていただいた時に、ハーレーをレンタルして、アメリカの荒野「旧ルート66」を走ることができました。
もうそれが最高の経験だったので、日本に帰ってきて1か月で「ハーレー・ヘリテイジソフテイル」を即決で買いました(笑)。
Photo by Shinya
Johnnyさん:アメリカにはだいたい2週間くらい滞在するんですけど、5日間で11回ライブするくらいライブ漬けで結構大変です。
現地のお客さんからのリアクションはいいですね。アメリカの若者にロックンロールなスタイルが少なくて、こういう革ジャンを着てツイストしているのは、ほとんど日本だけになってしまったように感じます。
カルチャーの逆輸入じゃないですけど、勝手に日本でカルチャーを進化させて逆輸入してるイメージですね。
ちなみにツイストはアメリカの「チャビィ・チェッカー」が広めたダンスです。
-今のスタイルや活動を始めたきっかけを教えてください。
Johnnyさん:音楽的な部分で言うと、子供の頃に見た映画「バックトゥザフューチャー」が初めて50'sカルチャーに触れた、きっかけだったと思います。
あとは日本のバンド「クールス」や「キャロル」、特に「矢沢永吉」さんの影響が大きいですね。先々週もライブに行かせていただきましたし。
Johnnyさん:Schottの革ジャンを買おうと思ったのは、高校生の時にメチャクチャ読んでいた漫画「クローズ」の武装戦線がきっかけです。
革ジャンを着てリーゼントにするというスタイルはこの漫画からスタートしました。
地元が海老名なんですけど、近くに米軍基地があったこともあり、よく遊びに行っていたんですけど、ダイナーとかアメリカンカルチャーが近くに存在していたことが今の自分を作っているかもしれないです。
あと、中学時代に「布袋 寅泰」さんの「ロシアンルーレット」という曲のPVを見て衝撃を受けて、今のスタイルを一生続けることが決定した感じです。なのでこのスタイルは一生変わりませんね。ずっと初期衝動のままです(笑)。
-Johnnyさんの愛車について教えてください。
Photo by YOSHIO KOBAYASH
Photo by WATARU YOSHIDA
Johnnyさん:アメリカから帰ってきて即買いしたハーレーのほかに「HONDA CB750C」も乗っています。
Photo by YUSUKE SATO
Johnnyさん:車は6、7年前から1968年の「HONDA N360」に乗っているんですけど、夏は暑くて乗れないです、クーラーがないので。
移動のメインはハーレーに乗ることが多いですかね。
-ONESTARコーディネートにマストなアイテムを教えてください。


Johnnyさん:エンジニアブーツにブルージーンズですね。
ハイウェストのブルージーンズは「ワイルド・ワン」を意識したコーディネートです。
今はいているエンジニアもSchott社製です。3年前くらいに購入しました。
他にはサングラス、これもSchottでワンスターが付いたものになります。
-Johnnyさんの趣味、ライフスタイルについて教えてください。
Johnnyさん:趣味は?と聞かれれば、ダンス、オートバイ、音楽なんですけど、趣味というよりもライフスタイルに全てが紐づいてます。
趣味という認識がなく、好きなことで仕事をしているイメージです。
このスタイルが日常なので、たとえ休みであろうと外出するときはこのリーゼントに革ジャン、ブルージーンズのスタイルで出かけます。扉の向こうは全てステージですから。
見られている、という意識を持つようにしてます。
Johnnyさん:音楽は欠かせなくて、常に聞いています。
アメリカにツアーで行くと移動距離が長いんですけど、アメリカの景色と音楽を聴いていられれば、何時間でも大丈夫ですね。
ジャンルもロカビリーに限らず、満遍なく聞くようにしてます。新しいロックンロールの形を発信できるヒントがあるんじゃないかと思っているので。
古いものをそのまま披露するだけではなく現代の要素を取り入れて発信できないかということを常に考えています。
最近だとK-POPも聞いたりします。「Kiss of life」というK-POPグループのPVにも出させていただいたこともありました。
K-POPってアメリカ市場でも確立されているじゃないですか。
歌もダンスも真剣に取り組む彼女/彼たちのストイックさがすごい好きで、すごいな、と思いながらいつも見て勉強してます。
-海外での反響に関して教えてください。
Johnnyさん:革ジャン/革パン/リーゼントでロックンロールをやるっていうスタイルは、もうアメリカのものというと感じではなく、日本独自の文化になっているなと思います。
というのは日本でのロックンロールの歴史は、70年代からとまだまだ浅いのですが、日本からしか発信していない伝統芸能的なカルチャーであると思っています。
僕のダンス動画に関しては海外からのコメントが多いですね。
アメリカ人はリスペクトのマインドなので、好意的なコメントが多いです。
ツイストって時代の流れの中で変化してきていて、それをさらに極端にしたのが僕のツイストなんですけど、一部の日本の方はそういった変化を受け入れず、ツイストはそんなんじゃない、というようなコメントをもらったりしますね。
じゃあ、踊って見せてくださいよ、って感じですけど(笑)
-今後の展望などあれば教えてください。
Johnnyさん:やっぱりこのカルチャーを世界に発信することが自分の使命だと思っているので、これからも変わらず世界に向けて表現していきますが、自分よりも若い後進を育てるという役割もとても重要なので、もっと若いバンドやツイスターが出てこれるような環境を僕が一線に立って作っていきたいと考えています。
僕きっかけで色々な国でロックンローラーが生まれたら面白いなとか。
あとは、一番好きな国がアメリカなので、色々な場所にライブに行って、ロックンロールのルーツであるアメリカを制覇してみたいと思っています。
ちなみに来年は4月にメンフィスとテキサスのツアーが決まったので、その流れで東側、NYにも行きたいと思っています。
ありがたいことに、ダンスや音楽だけでなく、役者としてのオファーもいただけているので、各方面からロックンロールを発信し続けていきます。

