2026/01/16

創業113年を経て、今なおSchottを象徴する革ジャンとして君臨し続ける「ONESTAR」。
1950年代の販売当初から変わることのない普遍的なデザインは、現代でも多くの愛好家から支持されている。
そんな「ONESTAR」を愛してやまない各業界のワンスターラバーズ"ONESTAR'S"にインタビューを敢行。
今回の"ONESTAR'S"は動画メディア「McGuffin(マクガフィン)」の編集長「安藤 啓太」さん。
ファッションや音楽、サブカルチャーといった全方向対応可能なコンテンツを有する動画メディアをコントロールする「安藤」さんは、プライベートでも常にアンテナを張り巡らせて、次なる取材のネタとなる「何かを」見つけるため、今日も見知らぬ街を散歩している。
普段は取材する側の「McGuffin」編集長に自身のレザーヒストリーや自分を形成するカルチャーや動画制作にまつわる話など、存分に取材させてもらった。
もちろんONESTARを纏って。
▶ONESTARの一覧はこちらから
-安藤さんがイメージするSchottとは?
安藤さん:もともとは「アメリカンワイルド」な感じのイメージがありましたが、取材でお店に伺い、実際袖を通させてもらっているうちに、ブランドの根底にあるヒストリーとスピリットを感じる世になりました。
NYは僕の中でHIP HOPもそうですけどカジュアルよりもフォーマルなイメージで、そういう視点で改めてSchottを見ると、アイテム自体はアメカジなんだけど、細部のディテールはすごいフォーマルだなって思いました。
だからこそ、大人になった自分でも着やすかったり、コーデに取り入れやすいブランドだなと実感しています。
安藤さん:Schottを初めて認識したのは結構前で、18歳とか19歳くらいの時です。
当時から僕は雑誌が好きで、若者向けファッション雑誌からストリート・カルチャー系雑誌まで、なんでも読んでいたんですけど、よくあるSNAPページでSchottを見かけていた記憶があります。
2000年代後半から2010年代前半にかけて、ストリートとかカルチャー系の雑誌が「きれいめ」なスタイリングを取り入れていて、Schottのライダースにスラックスを合わせるようなスタイリングが増えてきた頃でした。
その時代にSchottのブルゾンタイプの古着を買って着てました。
自分でバイトして買ったから、多分20歳くらいですかね、僕の初Schottは。
ただ、Schottというブランドを意識する前に、昔の映画をすごく観ていたので、「乱暴者(あばれもの)」などの作品からライダースジャケットの記憶は刷り込まれていたと思います。
映画からロンジャンとアメジャンの違いを学んだりしてました。
-アメリカにまつわるエピソードなどありますか?
安藤さん:実はまだアメリカに行ったことはないんですけど、翻訳家だった父が自分が小学生の頃から頻繁にアメリカに出張に行っていて、ラスベガスのキャップとかゴールデンブリッジの絵はがきとかをお土産で買ってきてくれて、そういうアメリカを感じるアイテムが家に沢山あったことから自然とアメリカが好きになっていました。
実際にアメリカンカルチャーに手を出したのはアメリカントイからで「SPAWN」とか「STAR WARS」のフィギアからで、大学生の頃はNYロックのムーブメントに傾倒しまくってました。「The Strokes」や「The Killers」、「Kings of Leon」とかが好きで、彼らが革ジャンに細いデニムとコンバースを合わせる、みたいなスタイルだったんですけど、かっこいいなーと思うのと同時に、アメリカに対する憧れが生まれていましたね。
安藤さん:アメリカには行きたいんですけど、単純に時間とお金がなくて(笑)。
あとは英語が全く話せないことが、すごいコンプレックスなんですけど、それもあって「McGuffin」は日本国内のローカルなカルチャーしか取り入れていないというか、逆張りしてる感じですかね(笑)。
例えば「Travis Scott」が来日してライブをやる、となるとイケてるメディアは各社取材に行くんですけど、「McGuffin」はライブに行かずに「呪物」の取材してるみたいな(笑)。

安藤さん:日本には魅力が多すぎて、人生かけても紹介しきれないくらいありますからね。
それもあり日本のカルチャーに注力しようという思いはあります。
ただ、海外をNGとしているわけではなく、先日もNYのグラフィティ界のレジェンド「STASH」さんを取材したりもしているので、絶対に海外を取り入れない、というポリシーではありません。
今後はアーティストとかミュージシャンを通じた海外とのコミュニケーションも増やしていこうとも考えています。
あ、英語コンプレックスが克服できたらアメリカとロンドンは絶対行きますね。
-編集者としてのこだわりなどあれば教えてください。
安藤さん:最近改めて気づいたんですけど、自分とか編集部が好きなモノを取り上げる、を一番にしてることですね。
トレンドとかは、あまり考えなくなったというか、流行ってるものとか流行ってる人ではなく、純粋に自分たちが「いいな」と思えるものをコンテンツ化しています。
自分たちが一から取材して構成を考えた記事を、自分たちの足を使って撮りに行く、深堀りスタイルがこだわりですかね。
ネットからの二次情報ではなく一次情報を大事にするというか。
「McGuffin」は動画で人の心を動かすような内容を作る、というのをテーマにおいているので、コレクターの方やオカルトの方を取材する際も、その人の人生観や特殊な仕事内容など、その人の内側を取材することを心がけています。
「その人が何に影響を受けて、どんな人生を送ってきたのか」とかは視聴者にはわからない程度に入れ込んでますね。
安藤さん:以前はルームツアーもスタイリストさんのインタビューとかが中心でしたが、取材対象者の内面を映し出す内容にすることで、何気ないモノがその人の人生を象徴していたりするので、本人の人生論とか仕事論と結びつくようなインタビューをしています。
あとは、単なる「ファッション紹介動画」にならないよう気を付けることと、一つの作品として見応えのある内容になっているかの確認は常にしています。
最近は海外からの反響もあるので、今年から英語と韓国語の字幕を本格的に導入する予定です。
-印象的な取材現場あれば教えてください。
安藤さん:印象的な取材現場については、呪物コレクターの「田中」さんです。
それまで「McGuffin」はストリートとファッションの動画が中心でしたが、この呪物の取材はスタッフが考えて企画出しして「サブカルという新しいジャンルに踏みこもう」というきっかけになった印象的な取材でした。
配信後の反応も面白くて、ファッション業界の方からのインスタのフォロワーが増えまして、「ファッション系の皆さんはオカルトが好きなんだな」という発見のが新鮮でした。
ファッション関係者だからファッションの動画しか見ないんじゃなくて、オフの日はオカルト動画も見るし、いろんなジャンルの音楽を聴く、という当たり前のことですが、それまでは視聴者を「カテゴリー」でしか捉えていませんでした。
それを「ライフスタイル」という大きな視点で捉えたら、結構何でも興味を作れるな、と思いました。
安藤さん:あとは、亡くなられてしまいましたが「SUN OF THE CHEES」の「山本 海人」さんのルームツアーですかね。
それまでのルームツアーは若い世代を中心に取材していたんですけど、ストリートシーンの中堅どころである「海人」さんを取材させてもらったのですが、本人も楽しんで取材に応じてくれたのをすごく覚えています。あの回を軸に、クリエイターやデザイナーの方々のルームツアーが増えましたからね。
他にも、秋葉原の護身用品店とか「田村装備開発」さんを取材してから、「ミリタリー」というカテゴリーが「McGuffin」に加わった感じがします。
このジャンルは僕自身も好きなので、とても掘り下げ甲斐があると感じています。今後はさらに、アニメやゲームといったサブカルの領域も増やしていきたいと思っています。
-ONESTARコーディネートにマストなアイテムを教えてください。
安藤さん:体形的なバランスも考えて、インナーにはハイゲージの薄手ニットとかをインナーに使って、シルエットがパンパンにならないように注意したり、スラックスを合わせてハードになりすぎない、キレイめなコーディネートになるよう心がけています。
今日は革靴ですが、「NIKE」などハイテクなスニーカーを合わせる人が意外と少ないので、あえて外した感じもチャレンジしたいなと思っています。
-安藤さんの趣味、ライフスタイルについて教えてください。
安藤さん:趣味は散歩です。
生まれも育ちも東京なんですけど、あえて行ったことのない街を歩くのが好きなんです。
10代、20代と年を重ねるごとに好きな街も変わったりして、「この街に住んだらどういう生活をすることになるんだろう」とか妄想しながら街を歩くのが楽しいです。
最近のお気に入りは大井町線沿線ですね。昭和な商店街があったりすると堪らないです。
あと「道路」が好きで、頭の中で「世田谷通りと甲州街道はライバルになりうるだろうか?」とかを妄想してます(笑)。
「246と甲州街道はどっちが人気あるんだろう」とか勝手に自己採点して楽しんでます。
安藤さん:あとは音楽と映画鑑賞ですね。
祖父や父の影響で壁面収納に憧れがあり、CDに関しては分かりやすい陳列を心がけています。
アーティスト名やアルバム名を見やすくするために、CDに付いてくる帯が外れないように袋に入れてレンタルCD屋のように管理しています。
音楽は日本のHIPHOPが好きで、先ほどお話しした通り、英語が話せないコンプレックスから、リリックが理解できるJ-RAPを昔から聞いています。
安藤さん:このCD棚の中から1枚を選ぶとすれば、「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」のファーストアルバムと「RIP SLIME」の「TIME TO GO」、「MSC」のアルバムですかね、1枚じゃなくなっちゃいましたね(笑)。
安藤さん:映画に関しては、「霊幻道士」が僕の選ぶ1本です。昔からキョンシーが大好きで、ちょっと怖くてグロかったりする内容なんですけど、今思えばこの「霊幻道士」の影響が思いっきり僕のインサイトを構成するルーツになっている気がします。
-今後の展望などあれば教えてください。
安藤さん:今後の目標は、日本のストリートカルチャーをもっと広めたくて、上の世代が作ってきたカルチャーを今の若い世代に伝えて、逆に若い世代のものを今の大人たちに届ける、そんな両方をつなぐ「架け橋」になるような活動を行うのが夢ですね。
また、埋もれていた魅力的なサブカルチャーを再発掘して世にだすなど、日本のカルチャーを循環させる役割ができないかを考えています。
その活動の一環になるかもですが、日本語HIP HOP CDガイドとかも作ってみたいですね。
自分が今までコレクションしてきた宝をいつか誰かに引き継いでもらうためにも、わかりやすい資料として残せたら本望です。
版権的にハードルは高そうですが・・・(笑)。
とにかく日本にはまだまだたくさん、世に出ていない素晴らしい「コト」や「モノ」があるので、それらが脚光を浴びられるよう貢献し続けたいと思っています。

